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更新日 : 2012年01月06日(金) 09時00分13秒

ヒクソン・グレイシー杯国際柔術大会2011レポート

 

JJFJ(一般社団法人・全日本柔術連盟)主催の『ヒクソン・グレイシー杯 国際柔術大会』が1023日(日)、4回目の開催を迎えた。今年は例年と違い、311日に発生した東日本大震災の後、その復興の途上という状況の中での開催となった。これを受け、ヒクソン・グレイシー会長は、開会式で選手たちにこうメッセージを送った。

「今年は日本にとって大変厳しい一年だったと思います。でも日本はこの災害を乗り越え、これからさらに輝くと信じています。皆さん全員で、強いスピリットを持って乗り越えていきましょう」

会長の力強い激励を受け、選手たちの気持ちのこもった奮闘が続出。終わってみれば、延べ800試合が行われ、例年になく盛況な大会となった。

そんな大会の見所の一つだったのが、アンドレ選手とアンジェリカ選手、ガウヴァオン夫婦の参加だ。まずは夫のアンドレ選手がアダルト黒帯ペサディッシモ級に出場し、ワンダーソン・“ホンダ”・アマカワ選手と対戦。実は、かつてホンダ選手はTT柔術でアンドレ選手に指導を受けていたことがある。しかし今回は、両者がガチンコで勝負。

TT柔術を率いていたエドゥアルド・テレス代表譲りのタートル(亀)ガードを巧みに使うホンダ選手。これに対し、アンドレ選手はポジションを変えながら徐々に追い込んでいく。最後はホンダ選手のガードが甘くなっていた腕を、アンドレ選手がキムラ(腕がらみ)で仕留めた。

試合後、アンドレ選手は「最終的に一本勝ちが出来て良かったです。でも(勝ち負けよりも)試合そのものが、いい試合になったと思います」と振り返った。ちなみに、ホンダ選手は今年の最優秀ゴールド会員アワードを受賞している。

一方、世界大会の優勝者であるアンジェリカ選手は、女子アダルト紫帯レーヴィ級でダニエラ・バチャット選手と対戦。初来日、時差ボケなどで「最初は緊張した」というアンジェリカ選手だが、ジャンピングガードからリバーサルを決めて先制。次第に動きがスムーズになり、マウントポジションなどで8ポイントをゲット。腕関節を狙いにいく場面もあったが、惜しくも極められず。しかしポイント10-0で日本デビュー戦を勝利で飾った。

3分過ぎぐらいから体が慣れてきて、試合の結果的にも良かったと思います」と語ったアンジェリカ選手は「また日本で試合がしたいです」と来年の大会参加にも前向きだった。女子の世界王者の参加によって、女子カテゴリーのさらなる活性化が期待される。

世界王者といえば、ギリャルミ選手とハファエル選手のメンデス兄弟が、いま最も世界中の柔術界で知られている存在だろう。今年のヒクソン杯にもメンデス兄弟が参加し、揃ってアダルト黒帯ペナ級に出場。

ギリャルミ選手は2試合ともチョーク(十字絞め)を、ハファエル選手はキムラとチョーク(送り襟絞め)を極めて快勝し、兄弟での決勝は行なわず優勝を分け合った。終わってみれば、さすがと思わせる闘いぶりだったが、ただ、世界王者といえども楽に勝っていたわけではなかった。ハファエル選手がこう振り返る。

「一方的に自分たちだけが上達しているのではなく、(他の選手に)しっかり追いかけられていることを感じました」

果たして、この言葉が現実味を帯びる場面が訪れた。

 

アダルト黒帯レーヴィ級に出場した、もう一人の招待選であるブルーノ・フラザット選手の決勝戦は、予想外の一進一退の展開となった。その相手はエンセン井上氏が率いるPUREBREDの門下生、柿澤剛之選手。アドバンテージ止まりとなったが、あわや柿澤選手がリバーサルを奪うかという場面もあった。結局、フラザット選手がポイント2-0で辛くも勝利したが、接戦となったのは、本来の階級ではない重いクラスの相手だったとはいえ、ADCC出場のためにNO-GIの練習に偏り、なかなか道衣の感覚が戻らなかったこともあったようだ。

「日本の選手は凄く研究熱心で、毎回、上達していると感じます」とフラザット選手。そしてハファエル選手は柿澤選手を「世界に通用するものを持っていると思います」と評価。この言葉が示すように、日本の選手も確実に世界レベルに近づいている。

そして他にも、日本から世界クラスの柔術家が生まれようとしているかもしれない。JJFJ大会の常連選手、ボンサイ柔術のマルコス・ヨシオ選手とホベルト・サトシ選手のソウザ兄弟は、今大会でも存在感を示した。

黒帯に昇格して僅か3ヵ月過ぎたばかりのサトシ選手は、アダルト黒帯メジオ級で全試合一本勝ちの優勝。アブソルート(無差別)級も決勝戦まで一本勝ちで勝ち進み、反対のブロックを勝ち上がってきた兄のマルコス選手と優勝をシェアした。マルコス選手も準決勝でホンダ選手に勝利するなど、安定感のある試合運びを見せた。兄弟で世界を目指すという夢に向かって着実に歩んでおります。

無差別級1位の表彰台に立ったマルコス選手には、スポンサーからの豪華商品として、世界的ブランドLEADERのピストバイク(フィックスギア自転車)が授与された。

他の各最優秀アワードとしては、最優秀海外選手賞がハファエル選手に、最優秀連盟賞(今期、最もJJFJに貢献したアジアの連盟)が韓国柔術連盟に、参加団体インストラクターへの表彰はストライプル・オハナの正田昭治代表に贈られた。今後も引き続きJJFJは賛同の意を表明して頂ける参加連盟、参加アカデミーに門戸を開放し、その輪を広げ、柔術を普及していく所存だ。


  

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